業界のエリート?個人タクシー開業の工程。
個人タクシードライバーになるには、まずタクシー会社に入社して二種免許の取得と経験を積むところからスタートします。
その後、法人タクシーにて10年間務めると個人タクシーを受験する資格が得られます。
働く自由度は個人タクシーの方がありますが、収益より経費を差し引くと法人タクシーでの勤務時代と収入面では、たいして変わりません。
所謂自己管理が一番大変です。
運転業務は長時間続けると精神病や肉体に負担が掛かります。
個人タクシーの業務にて限られた生活を支えることを基本にする事です。
色んな趣味や事業へ挑戦するために個人タクシーになることが理想的だと思います。
個人タクシーのみで収入アップは無理です。体は一つで稼げる収益はたかが知れています。
1.それでは個人になるための具体的な方法をご紹介致します。
第二種運転免許を取得していることはもちろん、法人タクシードライバーとしても経験や、試験、開業までの資金調達など多数の条件があります。
(1)個人タクシーになるための免許と経験
・個人タクシードライバーになる前は、法人タクシーで経験を積まなければなりません。
・まずは法人タクシーの会社に入社し、第二種運転免許取得しタクシードライバーとして10年以上の経験を積む必要があります。
・併せて、5年以内に刑法等の前科や麻薬取締法などで処分を受けていないことも条件となっています。
ア. 年齢によってタクシードライバー経験の条件も変わる。
年齢 | 経験条件 |
---|---|
35歳未満 | ・申請する営業区内において10年以上同一会社で運転手として雇用されていること。・10年間無事故無違反。 |
35歳以上40歳未満 | ・申請する営業区域で会社に雇用されてタクシー、ハイヤー、バス、トラックなど10年以上勤務経験があること。 トラックドライバーの場合は雇用期間の50%に換算される。・10年以上のなかでタクシー、ハイヤーの経験は3年以上の継続を含む合計5年以上であること。 |
40歳以上65歳未満 | ・申請日以前に25年間でタクシー、ハイヤー、バス、トラックなどプロドライバーで10年以上経験があること。 このうち、トラックドライバー期間は50%換算・申請する営業区域で申請日以前の3年以内でタクシー、ハイヤーを2年以上運転経験があること。 |
イ. 個人タクシーになるための申請時の年齢制限と定年制
・個人タクシーの申請は、65歳未満でなければなりません。
・法人タクシーでは具体的な定年時期は定められておらず、80歳で現役という方も!
・しかし、平成14年2月以降に参入した個人タクシードライバーの場合は、75歳までの期限が設けられています。
ウ. 個人タクシーになるための試験
エ. 個人タクシーになるための必要資金は最低限200万円
オ. 個人タクシーになるための営業所・車庫の確保
カ. 個人タクシーになるための健康面・適正面の証明
キ. 個人タクシーになるための開業のために譲渡譲受認可の申請
ク. 個人タクシー受験資格のタクシー業務以外での免許・経験
(2)個人タクシーになるための試験とは
・個人タクシー開業のためには、『法令地理試験』に合格する必要があります。
・これは営業区域を管轄する地方運輸局長が実施する、法令および地理の試験です。
ただし、申請する営業区域で10年以上タクシー・ハイヤー事業者でドライバーとして雇用された経験を持ち、5年間無事故無違反であった方に限り地理試験は免除されます。
・試験の合格基準は法令テストで全45問中41問正解、地理テストで30問中27問正解であることです。
(3) 必要資金は最低限200万円
個人タクシー事業を行う上で、用意する資金が決められています。
営業区域を管轄する地方運輸局長により異なりますが、設備資金で原則70万円以上、運転資金として原則70万円以上と設定されており、140万円を用意することが絶対条件。
また、全国個人タクシー協会に入会するためには、預貯金口座の額面200万円以上の預金があることを通帳を提出して証明しなければなりません。
そのため、最低限200万円は申請に必要ということになります。
営業所・車庫の確保
個人タクシー営業の事務所は、申請する営業区域内で住居と営業所が同一であることがほとんどです。
また、住居が持ち家ではなく賃貸の場合は、契約期間が概ね3年以上の賃貸借契約書を提出する必要があります。
車庫に関しては、必ずしも営業所および自宅に構える必要はなく、営業所から直線で2km以内であることが条件です。
健康面・適正面の証明
個人タクシー事業の申請には、健康状態と適性検査の結果を提出する必要があります。
まず、医療機関で胸部疾患、心臓疾患及び血圧等の診断を受け、営業に支障をきたさない健康状態であることを示す診断書を作成してもらいます。
そして、自動車事故対策機構等で運転に関する適性診断を受け、こちらでも営業に支障のない結果を示す適性診断票をもらい、診断書と一緒に提出します。
開業のために譲渡譲受認可の申請
新規許可の場合は、営業区域ごとに地方運輸局において申請時期・試験日・処分時期を公表して行っていますが、実は許可認定を受けつけていない地区もあり、現在東京都では受け付けていません。
また、茨城県、山梨県、鳥取県、島根県には個人タクシーが存在せず、この4県に関しては運輸局が新規許可を受けつけておらず、譲渡譲受許可もありません。
そのため、新規許可で開業するには可能な営業区域が限定されるため、多くの個人タクシー開業は譲渡譲受認可によって行われています。
個人タクシーは定年があるため、営業権は定年ドライバーと新規の個人タクシードライバーとの間で引き継がれているということです。
また、譲渡譲受許可は申請する営業区域内のドライバーから譲渡されなければならないため、常に譲渡人がいるということはありません。
譲渡譲受許可を得るためには、全国個人タクシー協会の支部に加入し、試験合格後に譲渡人が現れるまで待たなければならないのです。
また譲渡譲受の申請後、認可まで標準処理期間は90日であるため最低でも3か月間はかかります。
そのため、譲渡譲受申請が運輸支局に受理させるまで法人タクシーのドライバーとして勤務することがほとんどです。
個人タクシーになれたらどれほど稼げる?
個人タクシーの年収は、全国ハイヤータクシー連合会によると平均342万円とあります。
しかし、すべての個人タクシードライバーがフルタイムで働いているわけではなく、タクシードライバーの平均年齢は高いため、一概に年収300万円代とは言い難い状況です。
売上の100%が収入になる完全歩合給ですが、車庫代、保険、メンテナンス費用、ガソリン代、税金を考慮すれば、経費もかなりかかってきます。
一日中働いたとしても、常にお客さんを乗せているわけではなく、売上の良い日もあれば悪い日もあるので日によって上下するため、働いたら働いた分もらえるというよりは、業績を上げれば上げる分自分に入ってくるということ。
ゆえに、少しでも長くお客さんに乗車してもらうためには、運転手のノウハウが必要になってくるということです。
それが伴えば年収1,000万円以上も可能ですが、長時間街中を流していても、売上の悪い日が続けば300万円以下の年も十分あり得ます。
高収入も夢ではない職業ですが、そのためにはお客さんの流れを把握したり乗車率の高い場所を探してクルマを走らせるなど、地道な努力が必要です。
まとめ
個人タクシーになるには、さまざまな試練がありますが、ひとつひとつクリアしていけば開業は可能です。
しかし、個人タクシーになれたからといって、それなりの収入が得られるというわけでもありません。
個人タクシードライバーになるためには、開業に必要な準備だけでなく、タクシードライバーとしての腕も伴わなければやっていくことはできません。
そのため、個人タクシードライバーは本当の意味で、ドライバーのエキスパートといえるのです。
「個人タクシー」とは、個人が専用の車両1台でタクシー事業を営むもの。運転手と事業の経営者、両方の役割をこなします。
個人タクシーの仕事を始めるには、管轄する国土交通省の地方運輸局に申請し、許可をもらう必要があります。
申請方法は、次の3通りです。
- 新規で個人タクシーの営業許可をもらう
- 個人タクシーの事業者から権利を譲り受ける
- 個人タクシーの事業を相続する
1つめは、何もない状態から自分で事業を起こすこと。
2つめは、個人タクシーを廃業する人から事業を譲渡してもらうことです。これを「譲渡譲受」といいます。
3つめは、相続して引き継ぐことです。
ただ現在は、運輸局が新規の許可を行っていない地域が多いのが現状。
そのため、廃業予定の人と個人タクシー事業の譲渡譲受契約を結び、車両代金や営業権利などの代金を払って譲り受けるのが一般的な方法となっています。
規制緩和でタクシー事業への新規参入がしやすくなったことで、タクシーの数が増えすぎました。それにより、運転手の賃金の低下や、サービスの質の低下による安全性の問題が深刻になったのです。
そのため政府は、2009年にタクシーに関する特別措置法を制定。
車両台数を減らすため、過剰供給となる地域を特定地域と指定し、新規の許可を行わないなどの措置を取っています。
一方、タクシードライバーの賃金が安いため定着率も低かったり、若年層から敬遠されたりするなどの状況から、運転手不足の状態が続いているのです。
タクシー運転手として働いていれば、声がかかることもありますよ。
また、個人タクシーの組合に所属すれば、譲渡してくれる人を紹介してくれます。
新規の許可を行っているかどうかは、該当する地方の運輸局に問い合わせてください。
認可の方法が新規であっても譲渡譲受であっても、個人タクシー運転手になるための条件は同じです。
次の章で詳しく見ていきましょう。
個人タクシーを始めるのに必要な年齢や経験、資産などの条件
個人タクシーを始めるには、二種免許の取得はもちろんのこと、経験や資産などさまざまな審査基準があります。
まず、個人タクシー事業は「65歳未満」の人のみ申請可能です。
また、個人だからといって、どこで営業してもよいわけではありません。
営業区域が決まっており、申請した区域内に住んで、その区域で営業するのです。
その他の主な基準について見ていきましょう。ただし、管轄の地方運輸局によって多少異なるので注意してください。
青色の項目については、後ほど詳しく説明します。タップして移動可能です。
- 年齢:申請日現在、65歳未満である
- 運転経歴:職業として、タクシーなどの運転経歴が10年以上ある
- 法令遵守:過去一定期間内に、法令違反による処分を受けていない
- 資金:個人タクシー開業に必要な資金以上の自己資金がある
まずは運転経歴の条件について見ていきましょう。
個人タクシー申請に必要な運転経歴は年齢・営業区域によって異なる
運転経歴については、年齢に応じて次のような条件があります。
年齢区分 | 要件(すべてを満たす必要あり) |
---|---|
A)35歳未満 | ・申請する営業区域内で、10年以上継続して同じタクシー・ハイヤー会社に雇用されている
・申請日を含め、過去10年間は無事故・無違反である |
B)35歳以上 40歳未満(※1) |
・タクシーなどの運転業務を専業として雇われていた期間が10年以上ある(※2) ・上のうち、タクシー・ハイヤーの運転期間が5年以上ある・申請する営業区域内で、タクシー・ハイヤーの運転経験が申請日を含めて3年以上ある |
C)40歳以上 65歳未満 |
・過去25年間のうち、自動車運転業務を専業として雇われていた期間が10年以上ある(※2)
・申請する営業区域内で、タクシー・ハイヤーの運転経験が3年以内に2年以上ある |
※2:タクシー・ハイヤー・バス以外の運転者だった場合、経験期間は50%として換算
地域によっては、「B」と「C」の区別がなく、35歳以上65歳未満に対して「C」の要件が適用されるところもあります。
トラックも運転経歴には含まれますが、お客さんを乗せないので、半分の期間で計算されます。
トラック運転手として4年働いていたら、2年の計算になりますね。
個人タクシーに必要な条件の1つは、過去に法令違反による処分がないこと
個人タクシーの申請には、これまでに法律をきちんと守ってきたかどうかも重要な審査基準となっています。
その内容を大まかに言うと次のようなものです。
- 過去5年間、各種法律違反による処分を受けていない(道路交通法違反による免許取消を含む)
- 過去3年間、道路交通法違反がなく、免許停止の処分を受けていない
あのー、実は僕、2年前にスピード違反で1点減点されてるんです。
これってダメですよね?
個人タクシーの申請には、合理的で確実な資金計画と自己資金が必要
個人タクシーの申請には、必要な資金を見積った上、その資金を100%まかなえる、必要資金以上の自己資産の確保が必要です。
必要な資金(所要資金)は、200万円ほどというのが一般的。
申請の際に求められる資金とは、次の4つの合計です。
項目 | 金額など |
---|---|
設備資金 | (関東)80万円以上 (中部)原則70万円以上 など地域による |
運転資金 | (関東)80万円以上 (中部)70万円以上 など地域による |
車庫確保の資金 | 車庫の新築、改築、購入、借入などの代金 |
保険料 | 自賠責保険、任意保険の保険料1年分 |
これら所要資金の100%以上に値する額を、自分名義の預貯金等で確保してある必要があります。
個人タクシーの申請には、その他にもいくつかの審査基準が。
営業所は住居と同じで、営業区域内であること、車庫はそこから2kmメートル以内にあること、などの細かな基準をクリアした上でないと、申請できません。
さらに、健康診断や運転に関する適性診断を受ける必要があります。
また、法令や地理に関する試験にも合格しないといけませんよ。
個人タクシーor 法人タクシー、それぞれのメリットを比較
個人タクシーに興味はあるけど、会社勤めの法人タクシーがいいのか、個人タクシーに挑戦するべきか、迷う人もいるかもしれません。
個人タクシーと法人タクシーのメリットを、それぞれ見てみましょう。
- 売り上げはすべて自分のものとなる
- 上司など同僚との人間関係がない
- 通勤の必要がない
- 好きな時間で働ける
- 好きな車種が使える
- 75歳まで現役で働ける
個人タクシーの場合、各地の個人タクシー組合に加入すれば、チケット制や無線配車などの支援も受けられます。
でも、収入もすべて自分次第。責任は自分が負うということですよ。
事故を起こしたり、体を壊したりしても、助けてくれる人はいないんです。
では、法人タクシーのメリットはどうでしょうか。
- 二種免許があれば働ける
- 開業資金を準備する必要がない
- 賃金の最低保証がある
- 事故時の対応は会社がやってくれる
- 苦情などの受付も会社が窓口となる
- 社会保険などの手続きも会社に任せられる※
やはり、「責任」という面において、会社員ならある程度は会社に任せられる、というメリットがあります。
私、会社勤めだと、仕事とプライベートがはっきり分けられるからいいと思うんです。
ずっと仕事のことばかり考えるのは嫌だわ。
ちなみに、平成28年度の個人タクシーの売り上げの平均は338,878円。
最も高かった都道府県は東京で483,858円、最も低かったのは沖縄の135,870円でした。
同じ年の法人タクシーの給与の平均は、264,000円です。
法人タクシーは、厚生労働省の2016年「賃金構造基本統計調査」によるデータ
個人タクシー事業者の現状は?ドライバーの数の推移と年齢比
ではここで、個人タクシー業界の現状を見ていきましょう。
データは個人タクシー協会による「数字で見る個人タクシー」をもとにしています。
ポイントは次の2点。それぞれ詳しく紹介していきます。
- 個人タクシーの数は年々減りつつある
- 個人タクシーは高齢化が顕著である
まず、個人タクシーを営む人の数を調べた結果を、グラフにしてみました。
実際の数は次のとおりです。
年度 | 事業者数 |
---|---|
平成23年 | 41900 |
平成24年 | 40639 |
平成25年 | 39304 |
平成26年 | 38112 |
平成27年 | 36962 |
平成28年 | 35883 |
規制緩和後にできた特措法によって、国が新規の許可を行っていないことが影響していると考えられます。
次に、個人タクシー運転手の年齢について見ていきましょう。
個人タクシーの平均年齢は、64.4歳です(平成29年3月31日現在)。
年齢別の個人タクシードライバーの数は、次のグラフのような比率となっています。
実際の人数はこちらです。
年代 | 人数 |
---|---|
~39歳 | 98人 |
40~44歳 | 625人 |
45~49歳 | 1,677人 |
50~54歳 | 2,348人 |
55~59歳 | 3,127人 |
60~64歳 | 5,570人 |
65~69歳 | 10,278人 |
70~74歳 | 5,603人 |
人数が最も多いのは、65歳から69歳のドライバー。他の年代に比べて特に多いことがわかります。
個人タクシーの許可には期限があり、その都度更新手続きが必要です。はじめは3年、その後は年齢などに応じて1、2、3、5年のいずれかの期限で更新されます。
個人タクシーを始めるのは簡単じゃない!計画を立てて準備しよう
個人タクシーの運転手になるには、運転経験年数や資金計画、適性検査、法令や地理の試験など、さまざまな条件をクリアする必要があります。
職場の人間関係に悩むことなく、好きな時間に働き、稼ぎは全て自分のもの・・・と、個人タクシーにはいいことばかりが思い浮かぶかもしれませんが、実際はもっとシビア。
自由に働ける代わりに、全て自分が責任を負う必要があります。
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新規の許可を行っていない、ってどうしてなんですか?
タクシー運転手は人手不足と聞きましたけど・・・。